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 世は泰平の日本晴れ。
お天道様の当たる所は全て日の下(もと)であるという
実に有難い真理を知ってか知らずか、
今日も日の出島の浦島港に慎ましく聳え立つ伊勢丹山(いせたんざん)の八合目辺りに、
ひっそりとした居を構える案山子彦は、
夜通し唄った喉をゆっくりと休める様にすやすやと朝寝に耽る。

十九世紀に発明された電燈も二十世紀の半ばには、
既に地上から夜の闇を奪う勢いで発達し、
二十世紀後半には、この日の出島には夜は無いというのが常識となり、
夜働いて昼に寝る者も多くなって来た。

 二十一世紀も始まったばかりの世界では、
常世の国と会蟹国(あうかにこく)のタラ軍団との戦いが起こり、
その戦いは幾(いく)の国へと飛び火して、
遂には違勢小国(いせしょうこく)と加賀笹(かがささ)もこれに参戦し、
隣国に控える要瑠(いる)の国がこれに加われば、いよいよ大参事世界大戦の勃発か、
という緊張の絶えない情勢であったが、ここ伊勢丹山の人々は、為すすべもないのか、
そんなことにはまったく関心が無いのか、ただ勤勉に日々の仕事に勤しんでいた。

 朝まで飲んで唄って騒いで睡眠中の案山子彦も、
そろそろと起き出して日課の「蜘蛛の巣遊び」に励み出す。

蜘蛛の巣遊びというのは、
二十世紀の終わり頃から普及し始めた電信網を利用したもので、
電話線を通じて、家内にいながら世界中と情報交換が出来るという便利な遊びである。

各家庭には仮想の家頁なるものが建てられて、ここに自分の情報を公開して、
電信を通じて他家の家頁にお邪魔して、そこに用意された掲示板や茶集戸を介して、
その家頁の住人と情報を交換し合うのである。

この「蜘蛛の巣遊び」に興じる人々は「土蜘蛛族」と呼ばれている。

真夜中になると路上シンガーになる案山子彦だったが、
日中はこの土蜘蛛族の一人として、
行きつけの掲示板などの書き込みを読んでは返信して、
和気藹藹とやって楽しんでいたが、
時には何時終わるともしれない激しい論戦になることもあるのであった。

こんな論戦になる時には、案山子彦は、

    「まるでこの蜘蛛の巣遊びというやつは、
     『霊界物語』によく出て来る岩窟での問答や、
     狸穴(まみあな)で化かされている様な気分によくさせられて、
     面白かったり不愉快だったりすることしばしだが、
     無記名で見知らぬ人々がやりとりするあたりなんかは、
     さながら『霊界物語』に記された『笑いの座』の様だ。」

と一人つぶやくことがよくあった。

 特に大正(ひろまさ)十年に日の出島に現れた
神典『霊界物語』に対する家頁や掲示板には、自称「霊界物語」博士の様な人々が、
日の出島中から集まって来て、互いに激しく意見を戦わせるので、
俗世の仕事も忘れて「蜘蛛の巣遊び」に熱中する土蜘蛛族の隆盛ぶりを肌で感じるには、
もって来いの疑似空間であった。

 この「蜘蛛の巣遊び」には、匿名制や変名が使われることが多かったが、
時には実名をもって堂々と情報交換が行われることもあった。

しかしこの「蜘蛛の巣遊び」には意外なほどの影響力があるらしく、
時には各家頁や舞露愚、掲示板に公開された書き込みによって、
世の中が動くこともあるほど、この「蜘蛛の巣遊び」には力があった。

「コトバは神なりき」とは新約聖書のヨハネ伝によって有名な聖句であるが、
まさに「蜘蛛の巣遊び」には、創造力と実現力があるほどの力があった。

案山子彦は、この「蜘蛛の巣遊び」で、家頁や舞露愚や掲示板をあちこちに設けて、
ここに書き込みをして楽しんでいたが、
特に日記に書き込んだ天気が、後日の天候に影響するのを体験して、
「蜘蛛の巣遊び」で記された文字が、
龍神達にも届いているのではないかと考える様になっていた。

案山子彦「『霊界物語』の拝読を始めた時にも、いろいろと奇跡は起きたものだが、
     真理の体得とかそういうこととは別に、どうも、この『霊界物語』について、
     あれこれとやってみると、いろいろな形で神霊界が反応する様な気がするのだ。
     これは誰がやってもそうなのだろうか?各自に反応の仕方は違うかもしれないが、
     『霊界物語』に関わって超常現象体験をした友の会の様なものを作って、
     いろいろと体験談を話すことが出来る様になれたら面白いのにな…。
     そんなコミュニテイーで『蜘蛛の巣遊び』をやっている仲間は無いのだろうか?
     兎角、宗教団体として活動してしまうと、この辺の問題を取扱い難くなるのが、
     どうも昔から気に入らないのだ。
     宗教というやつは、気を鎮め安心立命を得るにはもってこいかもしれないが、
     クリエイティブで芸術的な活動をしようと思うと、どうも足かせになって、
     表現の自由を奪われる様な気がしてしょうがない。
     そこへ行くとミロク三会の神様が直々にお出しになったという『霊界物語』には、
     俗な言葉もあちこちに出て来て、
     ちょっと漫画の様な表現もあって、実に読み易い。
     神聖なる神の道ではあるけれども、凡俗なる一小市民にもよくわかる様な、
     活き活きとした教訓に満ちているところが大の魅力なんだが、
     どうも人様が学術的にやっている家頁で扱われると、妙に敷居が高くなって、
     簡単なことを難しくしがちなのが気になってしょうがない。
     この問題に警鐘を鳴らすというわけではないけれども、
     一つここはオイラの音楽活動の様にのびのびとした芸術的表現でもって、
     この『霊界物語』について持論を展開してみたくなって来たな。」

 「霊界物語」というものは、拝読といって声を出して読むと頭脳ではなくて、
霊がこれを聞いて育つのであるが、一人、自室でゆっくり読む方法と、
輪読といって複数が集まって順番に交替で音読する方法がある。
また、神劇という表現方法もあるのだが、これには舞台も衣裳も役者も必要なので、
かなり大がかりなものになる。

 しかし、これらの方法にとって、一つ重要なことがあるのだが、それは、
『御神前でやるべき』ということである。

その理由は、御神前でやらないと、二度目がなかなか実現しないという風に、
一般の信徒達の間では言われていることだ。

 案山子彦も以前、『オニサブラー』と呼ばれる仲間同士で集まって行われた、
『霊界物語朗読ライブ』というものに参加したことがあったが、やはり神事として、
御神前で行われなかったことが原因してか、二度目の朗読ライブは、
なかなか実現されないまま空転状態になっている現実がある。

 だが、拝読にしてもそうだが、個人が単独でやる場合は、本人の意思さえ固ければ、
そこが御神前であろうとなかろうと、何度でも実行できるという事実は、
毎夜、夜の「のんべえモール」で大声出して
「三五教基本宣伝歌」を歌っている案山子彦にとっては、
実体験としてよく知っていることなのであった。

案山子彦「御神前、御神前と言って、すぐに腰が引けてしまう連中が多いけれど、
     人は神の子・神の宮、路上を通過する一般の人々だって、
     皆、神様だと思えば、それは立派な御神前だと思うんだがなあ…
     朗読ライブにしたって、そこに集まる朗読仲間だって、互いに神様なわけだし、
     朗読ライブを見に来てらっしゃるお客様達だって皆、神様なのだ。
     そういう心になって、皆が皆を尊敬して拝し合う様にならなかったら、
     とてもこの世に地上天国だとか、
     ミロクの世なんてものは実現しないと思うのだけれどねえ…」

 案山子彦の心の中では、いつしかこんな思いが渦巻く様になっていたのである。

     神の子の セムの一族 土蜘蛛と
     交わり鼻も低くして
     日の出の島の西東
     北や南の同朋(はらから)と
     コトバの神を世に放ち
     互いに熱く語り合い
     時には笑いの花咲かせ
     一部の仲間が論じ合う
     それを気楽な通行人
     眺めてまたまた感動し
     いろいろ感ずることありて
     各自の社会で応用し
     世の正常化と発展に
     役立てようと働いて
     地上天国建設の
     一助となるのも誉なり
     げにありがたき次第なり
     その一方で巷には
     一から十まで逆に取り
     世界平和を混乱し
     いちいちかきまぜぶち壊し
     悪魔の如き暴虐を
     行う愚かな者も出る
     まったくこの世は人次第
     身魂次第で天国も
     地獄も出現するものか
     神にも善悪あるものか
     人は神の子・神の宮
     祟るも人の恨みなら
     救いになるのも人情だ
     ああかむながらカムナガラ
     御霊幸倍(みたまさちはひ)ましませよ
     神素盞嗚大御神(かむすさのをおほみかみ)
     瑞(みづ)の御霊(みたま)の大御神
     ああかむながらカムナガラ
     御霊幸倍(みたまさちはひ)ましませよ
     御霊幸倍(みたまさちはひ)ましませよ

                平成二一年二月一二日 旧一月一八日 垣内政治 識
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